(*事前に:あくまで20年前の話です、今は業界が変わっていると信じています(笑))
さてー・・・
私は『カクヨム』と言う小説投稿サイトで暇に飽かせてエッセイなど駄文を綴っていますが。(良ければ見て→リンク)
*カクヨムの駄文を読んだ方がわかりやすいと思います。
最新の書き物として新聞屋時代の思い出を書いてきました。
ただ、カクヨムだと書きにくい事もあったりするので・・・ちょっとメインでは書きにくい話をここに吐き出してみます(笑)
①:残紙について
多分、今の若い方はあんまり知らないかな?私より世代が上の方はよく知っているかも。
残紙って何?って方、文字の通り残った紙です。
と言うのは置いとくとして、説明しますね。
新聞は各新聞社さんが記事を書いた原稿を輪転機と言う印刷機を稼働させて、新聞を印刷し各新聞販売店に配送して配達してもらいます。
販売店は、新聞社の一部所ではなく独立した会社ですので、新聞は『仕入れ』として新聞社から購入することになります。
新聞の料金は4000円前後ですが、新聞社への購入代金と配達員への給料(一部いくらと言う形で決まっていて、それは新聞代金から出ているのです)と消えるので、ほぼ販売店の収益にはつながりません。
では、どうやって販売店は収益を上げているのか?
皆さんは『折り込みチラシ』を一度くらいは見たことがあると思います。朝刊に挟み込まれているアレですね。
チラシには新聞社本社から指定して挟み込むように指示が来るものと、地域の商店などが地元への拡販のために販売店に持ち込むチラシと大体2つに分けられます。
この、持ち込みのチラシが販売店の収益なのです。
単純に計算してみましょう。(料金はうろ覚え、当時(20年前)とは違うと思います)
- チラシ1枚配るのに5円
- 地域の販売店の部数を3,000軒配っているとします。
- 企業数が大体20社位持ち込むとします
とすると(5円)×(3000部)×(20社)=¥300,000となります。
これが販売店の純粋な売り上げになります。もちろんここから人件費などを払うのですが、これが30日間続けば¥9,000,000の売り上げとなります。
まぁ、細かいチラシとか折り込む場所(例えば『頭(アタマ)』と言ってチラシがばらけないように先頭に二つ折りにされた一番目立つ場所のチラシ)によっては料金も前後します。
実際はここまで売り上げは大きくないかもしれませんが・・・
ともかく、折り込みチラシは販売店の最大の収益源なのです。
ところが、ここで残紙と言う問題が出てきます。
先ほど、一般的に3000軒に新聞を配っていると言いましたが、これはあくまで『販売店の公称』部数です。
私が勤務していたときは、実際は2000件程度の配達でした。
ちなみに、販売店が交渉している3000部は『これだけ販売していますよ』と言う新聞社への報告であり、仕入れ部数です。
では、2000部配達した残り、1000部はどうなるのか?
お店に倉庫があり、そこに残った新聞が保管されており、私が勤務していたところでは定期的に回収され(確かほぼ毎日)、トイレットペーパーなどにリサイクルされ、それを店の商品として販売していたりもしました(笑)
では、折り込み依頼をしてきたお店はどうなる?
実際は2000部しか配達していないのに、3000部の料金を頂戴するわけです。差額の1千部分の折り込み料金は販売店のポッケナイナイであったわけです。
つまり、折り込みを依頼するお客さんは3000部と思って2000部しか配達されない新聞に代金を支払っていた。
まぁ、何というか・・・ねぇ。
でも、これにも実は新聞社の問題があって、部数を減らすことは許されていないのが販売店の宿命でした。だから、対外的には部数が減ったとは言えないわけで、3000部の代金を頂戴せねばならないという理由もあったのです。
実際、配布しない1000部についても、代金は支払わなくてはならないし、お店は丸損なんですけどね。
と言うまぁ他には言えないからくりがあったわけで。
他にも、以前裁判沙汰にもなった押し紙(新聞社が売れないのをわかっていて、販売店に無理やり買わせる新聞:店からすれば丸々廃棄になるので損しかない)問題とか、公称の部数と実際に販売する部数が違いすぎるがゆえにこういった問題が起こっていたわけです。
実際、店長が新聞社本社の担当者と部数増の打ち合わせ(と言う名のプレッシャー)
をしているのを目撃しましたし(笑)
先日この記事を書くにあたって各社の部数を見てみましたが、やはり20年前と比べて大幅に減っていますねぇ・・・(-。-)y-゜゜゜
と言うわけで、ちょっとした新聞裏話でした。営業編でもまた別の記事で書きます。
と言うわけで最後に一言。
『新聞社の公称【発行】部数と【実売】部数が一致するとは思わない方がよいです』
とっぴんぱらりのぷう
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